寒い風が吹くとき 涙が流れるなら、 「涙道閉塞」
「涙道閉塞(るいどうへいそく)」とは、目から過度に涙が分泌される、または涙が適切に排出されずに目から涙が流れる状態を指します。これは一時的もしくは持続的に発生することがあり、多様な原因と症状が出現することもあります。
涙道閉塞の原因
涙腺の活性化と涙の生成・分泌量の増加
涙は涙腺から生成されます。涙腺は私たちの目の上部、外側に位置しており、ここで生成された涙は、目を潤わせたり、外部物質を排除する役割を果たしています。涙の生成過程は、自律神経系によって調節され、ストレス、感情、物理的刺激などに反応して涙腺が活性化します。
涙の排出
目で生成された涙は、涙道粘膜を通じて鼻に排出されます。この過程で問題が生じると、涙が適切に排出されず目に滞留します。涙道粘膜が閉塞していたり、狭窄(きょうさく)が生じると、涙の排出がスムーズでなくなります。
ホルモンと涙
特に女性では、閾値期において性ホルモンの変化が涙腺や涙道粘膜に影響を及ぼすことがあります。これにより、涙の生成や排出に問題が生じ、涙道閉塞を引き起こす可能性があります。
薬物
抗ヒスタミン剤、抗コリン剤、β-ブロッカーなどの一部の薬は、涙腺の機能を低下させたり、涙の成分比率を変えてしまいます。このような変化が、涙の適切な排出を阻害したり、涙の分泌量を減少させる問題を引き起こすことがあります。
体質・遺伝的要因
一部の人々は、体質的に涙が多く出たり、少なく出る傾向があります。このような場合も、涙道閉塞のリスクが存在し、遺伝的要因によっても影響を受ける可能性があります。
感染と炎症
目周りの感染や炎症も涙道閉塞を引き起こす可能性があります。例として、結膜炎や瞼(まぶた)の炎症は、涙の排出を妨げたり、涙腺を過度に活性化させることがあります。
その他の疾患
糖尿病、関節リウマチ、甲状腺の問題など、他の疾患によっても涙の生成や排出に影響を及ぼすことがあります。これらの疾患はしばしば体全体で問題を引き起こすため、涙道閉塞の症状がある場合は、全体的な健康状態を再評価する必要があります。
涙道閉塞の症状
持続的な涙の流れ
涙道閉塞の最も代表的な症状は、目から涙が絶えず流れることです。
これは、感情的な要因や物理的な刺激がなくても涙が流れる状態が発生し、特に屋内外にかかわらず症状が持続する可能性があります。
視力低下
涙が過剰に分泌されると、視界がぼやけることがあります。
これは、涙が目の前を覆い隠すために起こる現象であり、このような症状が長時間続くと日常生活に大きな不便をもたらす可能性があります。
目の周りの皮膚問題
涙が持続的に流れると、目の周りの皮膚が湿ってきます。
これにより、皮膚が乾燥したり、炎症が発生する可能性が高くなります。
この状態が持続すると、皮膚が割れたり赤くなることがあります。
目の蓋の非対称性
涙道閉塞が片目だけで発生する場合、目の蓋の非対称が生じることがあります。
これは、涙の分泌や排泄に関連する構造的な問題が原因であり、医師との相談の後、手術が行われる可能性があります。
異物感、かゆみ
涙が正常に排泄されない場合、目に異物が入ったように感じることがあります。
これは、涙の粘性が変わったり、涙道が詰まっているために発生する症状である可能性があります。
感染と炎症のリスク増加
涙が目に持続的に滞留すると、微生物の繁殖が容易になります。
これによって、目の感染や炎症が発生するリスクが高くなります。
チェリー(ものもらい)
涙が正常に排泄されないと、涙道内で涙が溜まります。
このように溜まって感染が進行すると、ものもらいが発生する可能性があり、
そのような場合は病院で薬を処方してもらったり治療を受ける必要があります。
涙道閉塞の予防方法
基本的な目のケアが必要
頻繁にまばたきをすることで、涙が分泌され、目を潤すことができます。
また、定期的な目の検査を行うことで、健康上の問題を早期に発見し対処することが可能です。
環境要因のコントロール
乾燥した環境は涙の蒸発を促進する可能性があり、適切な室内湿度を維持することが重要です。
また、エアコンやヒーターの使用による空気の乾燥が目に負担をかける可能性がありますので注意が必要です。
適切な目周囲の衛生管理
目に触れる前には必ず手をきれいに洗うべきです。
まぶたの涙腺を刺激するために、優しく目をマッサージすることも有効です。
栄養摂取
オメガ−3脂肪酸は、涙の品質を向上させる助けとなることがあります。
ストレス管理
ストレスはホルモンのバランスを崩し、涙の成分を変える可能性がありますので、ストレスの管理が重要です。
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